小論文 「標 準」 編
合否を左右するアイディアメモ作り 編
1.小論文で高得点を取るには、“キラリと光る意見”が必要
設問例:「個性の時代」(800字以内)について書け
いま、「個性の時代」とよく言われる。新聞記事やファッション関係のポスターなどにこの文字をよく見かける。
だが、果たして本当にいまは個性の時代なのだろうか。
なるほど、近ごろの若者が身につける物や、見たり聞いたり食べたりする物には、奇抜で斬新なものが多い ように思われる。他人と異なる、目立つことが個性につながると考えているようだ。そして、それがもてはやさ れる。しかし、情報に関するメディアが発達している今日、いわゆる「個性的」な物は、直ぐに「流行」という形 で一般化してしまう。流行となれば、もはやこれは「没個性」でしかない。
欧米、とくにアメリカでは、昔から個人主義の考えが行き渡っており、他人との差異を主張する事によって 自己を確立してきた。そして、その自己の存在が行動と思考の基盤をなしてきた。彼らが個性的に見えるの は、そのような個人主義の背景があるからなのである。一方、島国である日本においては、集団という一つ の単位から社会が成り立っていた。そこでは、他人との調和・協調に重点を置くことが美徳と考えられ、奇異 な存在であることは、すなわち集団からの離脱であり、生活基盤を失うことであった。「出る杭は打たれる」と いうのは、そのようなムラ社会である日本の状況を的確に表す言葉なのである。このように、文化背景が異な っているにもかかわらず、明治以降、日本の西洋化が推し進められ、思想的、文化的本質を伴わない、表面 だけの西洋文明が流入し、個性とは表面的で外面的な差異という意味で捉えられるようになったのである。
私はいまの日本を個性の時代と呼ぶことはできないと考える。西洋の個人主義をそのまま真似る必要はな いにしても、もっと自己を確立する必要がある。そうしてこそ、個性の時代にふさわしくなると思うのである。
なるほど、近ごろの若者が身につける物や、見たり聞いたり食べたりする物には、奇抜で斬新なものが多い ように思われる。他人と異なる、目立つことが個性につながると考えているようだ。そして、それがもてはやさ れる。しかし、情報に関するメディアが発達している今日、いわゆる「個性的」な物は、直ぐに「流行」という形 で一般化してしまう。流行となれば、もはやこれは「没個性」でしかない。
欧米、とくにアメリカでは、昔から個人主義の考えが行き渡っており、他人との差異を主張する事によって 自己を確立してきた。そして、その自己の存在が行動と思考の基盤をなしてきた。彼らが個性的に見えるの は、そのような個人主義の背景があるからなのである。一方、島国である日本においては、集団という一つ の単位から社会が成り立っていた。そこでは、他人との調和・協調に重点を置くことが美徳と考えられ、奇異 な存在であることは、すなわち集団からの離脱であり、生活基盤を失うことであった。「出る杭は打たれる」と いうのは、そのようなムラ社会である日本の状況を的確に表す言葉なのである。このように、文化背景が異な っているにもかかわらず、明治以降、日本の西洋化が推し進められ、思想的、文化的本質を伴わない、表面 だけの西洋文明が流入し、個性とは表面的で外面的な差異という意味で捉えられるようになったのである。
私はいまの日本を個性の時代と呼ぶことはできないと考える。西洋の個人主義をそのまま真似る必要はな いにしても、もっと自己を確立する必要がある。そうしてこそ、個性の時代にふさわしくなると思うのである。
解答のポイント







2.テーマから思いついたことは何でもメモる
高得点を取る小論文を書けるかどうかは、
アイディアメモがどれだけ充実しているかで決まる
アイディアメモがどれだけ充実しているかで決まる






3.アイディアメモをとる段階ではYES・NOを決めない


4.アイディアを引き出す手掛かりになるのが「3WHAT・3W・1H」


What 1 定義(何を意味しているのか)
個性・・・ほかの人とは違う、その個人にしかない性格・性質、その人らしさ
個性の時代・・・多くの人が自分らしさを発揮できる時代
個性の時代・・・多くの人が自分らしさを発揮できる時代
What 2 現象(何が起こっているのか)



(もし、問題提起を直ぐに思いつかないときは、ここから問題提起を作る)









What 3 結果(今後、何が起こると予想されるか)

WHY 理由・背景(なぜ、それが起こったのか)


























When 歴史的状況(いつ、どんな時期に起きたのか)





Where 地理的状況(場所を変えるとどうなるか)



How 対策(その問題にどう対処するか)

5.「いい面」「悪い面」の両面から考える


6.アイディアの羅列にせず、一つに絞って考えを深める




7.いいアイディアが浮かばない時は、極端な例を想像すると斬新な
アイディアが出やすい










極端な例は、あくまでも「これだ」と言えるアイディアを
引き出すための“導火線”なので、実際に使う必要は無い
引き出すための“導火線”なので、実際に使う必要は無い

8.身近なテーマな時ほど作文を書く失敗に陥りやすいので
「WHY(なぜ)」にこだわる









9.「社会一般の話」とはテレビ・新聞でよく聞く話と結びつけて考える方法


少子高齢化が問題視されるのは、一つには働く人口が減って社会の総生産量が減ってしまうこ
とがある。社会全体で稼ぐお金が減れば、それだけ経済活力を失うことになる。さらには若い世代が減
ることによって、社会の活力が失われるという問題もある。
この問題を解決するには、たとえば、一人あたりの生産量を増やす方法がある。仮に働く人口が半分になったとしても、 一人あたりの生産量が倍になれば、そう生産量は変わらないことになる。また、 社会的活力の問題は、若い世代がいまよりもっと元気になるとか、高齢者になっても活力のある社会をつくるという方法が考えられる。
翻って「個性の時代」とは、みんながいきいきと生きられる時代と考えることができる。それだけ社会に活力が生まれ、少子高齢化が抱える問題も解決しやすいともいえる。
この問題を解決するには、たとえば、一人あたりの生産量を増やす方法がある。仮に働く人口が半分になったとしても、 一人あたりの生産量が倍になれば、そう生産量は変わらないことになる。また、 社会的活力の問題は、若い世代がいまよりもっと元気になるとか、高齢者になっても活力のある社会をつくるという方法が考えられる。
翻って「個性の時代」とは、みんながいきいきと生きられる時代と考えることができる。それだけ社会に活力が生まれ、少子高齢化が抱える問題も解決しやすいともいえる。







10.一番鋭いアイディアを結論に使い、他は「アイディアを補強するもの」に
使うという視点で探す


どちらが納得できるか、より正しいと感じられるかは必要がなく、
意外性があり、なおかつ読み手を説得できるないようにできるかだけを考える
意外性があり、なおかつ読み手を説得できるないようにできるかだけを考える



下書き時間が省ける構成メモ 編
1.構成メモをつくれば使えるアイディアを4部構成でまとめ直す


下書きしてから本番に取り掛かるのは時間の無駄で、
その時間をアイディアメモにあてる
その時間をアイディアメモにあてる
2.「問題提起」部では書き出しパターンを決めておく






3.「意見提示」部には、予想される反論を書いておく
(反論を書くことで視野の広さをアピール)
















4.「展開」部の役割は、主張の理由を社会一般にまで論を展開していくこと










5.「展開 = 小論文の“命”」部の主張(アイディア)は1つに絞り、
具体的に説明して説得する








6.「結論」部では、まとめ以外のことは一切書かない







7.原稿用紙に書く前に、内容の“ペース配分”をする





8.改行は4部構成の各部が始まる(内容が変わる)たびにする















9.原稿を書いている途中で斬新なアイディアが浮かんでも、
捨てないとつじつまが合わなくなる






10.最後の推敲は構成の良し悪しまで考えずに、
誤字・脱字の訂正にとどめる
読んで違和感のある箇所は、主語・述語が
合っていない可能性が高いので注意する
合っていない可能性が高いので注意する





